きっちーさん的良楽曲 2020年上半期
きっちーさん的良楽曲2020年上半期編です。
いわゆる節目の期間で、修論に追われたり、引っ越して新社会人としての新生活を始めたり、某ウイルスに振り回されたり、人生の中でもわりと密度の濃い方の時期だったんじゃないかと思う。余裕がないと音楽とかエンタメから離れてしまいがちになるけれども、つらい時に救ってくれるのもまたエンタメなんだなぁ。。。
というわけで、そんな中で出会った曲たちを紹介します。
どうしますか、あなたなら/阿部真央
作詞/阿部真央
作曲/阿部真央
編曲/akkin
年始の一挙放送を見てドはまりしたドラマ『これは経費で落ちません!』の主題歌。主題歌でありつつも主人公の森若さんのことを歌ったキャラクターイメージソングの側面もあって、わりとアニソンの手法に近い作品への寄り添い方を感じた。作中で流れるときだけ音源版と違う歌詞になっている。また、この曲が収録されたアルバムには、この曲の次に『pharmacy』という曲が収録されており、これは主人公の森若さんと深い関係のある山田太陽というキャラクターの視点から作られた曲だそうで、至る所で阿部真央氏による作品への愛を感じる。でもMVはとてもこわかったです。小さいころに見たらトラウマになってたかもしれん。
雨/清竜人
作詞/清竜人
作曲/清竜人
編曲/ANANT-GARDE EYES
森若さんロスが全く抜けない時期に出会った曲。森若さんを演じた多部未華子氏と清竜人氏のデュエット。8分を超える大作で、セリフから始まってミュージカルのように変わっていく展開、多部未華子氏のまっすぐな歌声に引き込まれていく...嗚呼...
序盤は少しの温かみを感じるけれど、生きることという重いテーマとストーリーに乗っていく曲は転調を繰り返して危うさと儚さに変わる...嗚呼...
清竜人氏の名曲である『ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング』を多部未華子氏が口ずさむあたり、その演技の実力の高さと、表現としてのアート性を感じる...
Re:スタート/ガールズフィスト!!!!
作詞/白瀬双葉
作曲/南松本高校パンクロック同好会
編曲/南松本高校パンクロック同好会
ガールズフィスト!!!は、松本市を舞台にしたガールズバンドの成長を描く物語だそう。グループ名も特に決まっていないのか、これが正式なのかはわからないが、現状では「南松本高校パンクロック同好会」として活動しているそう。JOYSOUNDで流れたCMで知った。さすがテイチクさん。某ボーカルユニットと同じ経路で知ったというにはとてもピンポイントで親近感のある舞台だったので聞いてみた。声優さんがバンドを結成して歌うってなんか聞いたことある…けど、おそらくこのコンテンツの魅力は本当に成長過程を見られることなのだと思う。シンプルな演奏だけどがむしゃら感があって、確かに青春を感じてしまう...
響け!ファンファーレ/虹のコンキスタドール
作詞/村カワ基成
作曲/村カワ基成
編曲/村カワ基成
めちゃ王道アイドルソングだけど、虹コン!っぽさがとても濃い。虹コンっぽさってBPMが速くてキーが高めの夏感のイメージが強かったけど、夏じゃなくても爽やかさってあるんだなぁ。OPテーマのような明るさ、強さ、疾走感がある。同時リリースの別の曲にアニメタイアップがついたけど、この曲も2010sのアニメOPっぽさがあるのでアニタイついてもおかしくないと思った。
夏の暮れに/ネクライトーキー
作詞/もっさ
作曲/もっさ
編曲/ネクライトーキー
ネクライトーキーのメジャーデビューアルバムから。ネクライトーキーは朝日氏の楽曲にもっさ氏の歌が乗る構成であったが、この曲はボーカル/ギターのもっさ氏の作詞曲。だからなのかほかの曲とは少し雰囲気は違う気がするけど、めちゃめちゃ良い。繊細かつ泥臭い情景の切り取り方と演奏による表現が素晴らしい。夏の終わりの切なさって好きなんだよなぁ。踏切で立ち止まって電車が過ぎるまでの時間の考え事、漠然とこのままでいいのかという不安とか未来が見えないような感覚、情景と感情が浮かび上がる歌詞が素晴らしいし、それだけじゃなく、その感情を表現するような歌声、少しの希望が垣間見える落ちサビ以降の歌詞と展開、これこそ音楽ならではの表現だと感じた。これこそ音楽ではなかろうか。
ネクライトーキー結成当初から、
— 朝日 (@ishi_furo) 2020年1月29日
「俺の曲が届くのは音楽オタクまで、けれどもっさの曲はもっと広く遠くまで届く、いつか誰もがもっさの曲を知ってる日が来る」と周りに豪語していた。
「夏の暮れに」にはその始まりを感じる。
たくさんの人に聞いてもらえるといいなあ。
ポップミュージック/Juice=Juice
作詞/KAN
作曲/KAN
編曲/炭竃智弘
歌詞の通りポップでキャッチーで、オマージュも盛り込まれておりどこか懐かしさも感じられる楽曲。宮本佳林さんがこのシングルを最後に卒業という文脈もあって、歌詞の通り明るくて楽しいのにどこか切ない。Aメロの一音一音の発音が跳ねて気持ちいい。やっぱりJuice=Juiceさんはメンバーの歌声の個性が強いし歌唱力も高いので何回も聞き返したくなる中毒性がある。この曲が愛は勝つで大ヒットしたKANさんの曲のカバーと知ってえらく驚いた。原曲はコミカルでありつつもダンディもあり、懐かしさの中に今どきのワードが織り交ぜられているお洒落さがあるのに対して、J=Jカバーは懐かしい雰囲気は残したままアイドルっぽさの色が濃くされている。あと稲場愛香さんがかわいい。
キスは無理/みゆはん
作詞/菅波栄純
作曲/菅波栄純
編曲/春日俊亮
流れるような転調とリズムが良くて中毒性が高い。キャッチーってこういうことか。ツンデレ可愛い歌詞を気だるげに歌っているというギャップがまた中毒性を生んでる。
Redice/CYNHN
作詞/渡辺翔
作曲/渡辺翔
編曲/宮野弦士
CYNHNさんの7thシングルのc/w楽曲。A面の水生がOPならRediceはEDを感じさせる落ち着きや終わりの雰囲気がある。なんとなくだけど聞いているとめっちゃ切なくなる。この曲のコンセプトはタイトル通りサイコロを振り直して、改めて進みなおすという感じ。CYNHNさんは2019年末にメンバーの桜坂真愛さんが卒業し、このシングルが5人体制となって初めてのリリースとなった。思えば2019年はワンマンライブから始まり、6人の生誕イベントやアルバムのリリース、ホールでのライブがある一方で、下半期はメンバーの体調不良が続き6人が揃う日は少なかった。新体制で発表されたこの曲には"行き先は君もわからない""ここは休もう""整理整頓 後回し 散らかりすぎて進めない"などといった少し休んで敢えて立ち止まるような意味合いを感じる。
すごくしんどい状況や、その中で戦ってる姿を見てきたからこそ、一旦気持ちの整理をつけて今後ももっと応援させてほしいです。
いつか、また。/上田麗奈
作詞/RIRIKO
作曲/⼭⽥かすみ
編曲/笹川真⽣
声優の上田麗奈さんが演じたキャラクターに共感した部分を掘り下げて作られたという楽曲。僕も熱中してみていたアニメでの、自分の弱さゆえに世界を壊してしまうあの悲しいヒロインであろうと思う。歌詞に関しては作詞作曲を手掛けたRIRIKO氏の解説があったのでこちらを見てほしい。
そもそもこの曲を聴いたきっかけは、CYNHNさんの楽曲であるところの解けない界面論の編曲を手掛けた笹川真生氏が上田麗奈さんのアルバムに編曲で参加したと聞いて、どの曲かは知らずにアルバムを一通り聞いてみたら、この曲の頭サビ後の間奏でもうこれ絶対そうだ!と確信して、案の定そうだったというところから。抑揚の付け方とかブレイクとか、不安感を煽る構成が凄い。
上田麗奈さんの歌唱も圧倒的で、この曲は上田麗奈さんにしか表現できない作品だと思う。小声かと思えば時に急に声を荒げたり、声が震えたり、不安ゆえの情緒の不安定さの表現とかが生々しい。声優がどうして歌手デビューするんだという疑問に対して、声優にしか表現できない歌があると突き付けられたような楽曲。本当に素晴らしい。
魔法陣より愛を込めて/カラスは真っ白
作詞/シミズコウヘイ
作曲/シミズコウヘイ
編曲/カラスは真っ白
ジャジーなピアノサウンド、繰り返されるメロディの単位、耳に残るキメ、ラップパートもアクセントになって何回でも聞いてしまう。
生まれたてのラブソング/全力少女R
作詞/ジョン・スミス
作曲/ジョン・スミス
編曲/ジョン・スミス
毎週欠かさずリアルタイムで聞いているラジオがあるんですけど、早めに待機しているときに流れている前枠の全力少女Rさんのラジオもたまに聞いていて、ある時偶然にこの曲を聴いてもう耳から離れなかった。めちゃいい曲やんけ。音域も広くて伸びやかで耳に残るサビのメロディがステキ。グルーヴ感。かっこいい。
For you! For みい!/長谷川みい(CV.空見ゆき)
作詞/やしきん
作曲/やしきん
編曲/やしきん
せーので跳べって言ってんの!が良かったし、Re:STAGE!には名曲が多いという噂を聞いてコロコロと聞いていたら最高の曲と出会ってしまった。なんだこれは。またやしきんの仕業か(褒めてる)。やしきん氏の楽曲はてーきゅうの印象が強くて、以前挙げた『今宵フェスティバブル』は2番でAメロとBメロが入れ替わるとか言ってたけど、この曲は1番がA-B-サビなのに対して、2番でAB入れ替わるだけじゃなくて、B-A-間奏-C-A-落ちサビという怒涛の流れ。イかれてる(褒めてる)。Aメロの繰り返しがやたらと耳に残るし、落ちサビのコードが変わるところなんかグッとくるてだけじゃ表現しきれない感情に堕とされる。デカいアリーナとかで聴きたい。
Mela!/緑黄色社会
作詞/長屋晴子、小林壱誓
作曲/peppe、穴見真吾
編曲/
15秒のCMで心を掴まれる冒頭部。ピアノから入ってブラスが追加されてギターソロがあって、これでもかとギミックが詰め込まれている。CM尺に合わせたのか、冒頭サビだけメロディが少し違ったりクリシェ進行だったりで掴みが本当に強い。ファルセットが美しすぎる。歌唱力が圧倒的だし完成度が高い。某ウイルスの影響でCDの発売が延期になってしまったが、その期間に公開されたリモート歌唱演奏動画とレコーディングメイキングがあまりにも良かった。1コーラスだけではあるけれども、圧倒的な技術と楽しそうすぎる雰囲気が堪らん。
UNITY/Wienners
作詞/玉屋2060%・アサミサエ
作曲/玉屋2060%
編曲/
圧倒的にメッセージ性が強い。奇しくも世界がこんな状況になってしまった時にリリースとなったが、だからこそ、メッセージがより強くなった音楽の力を感じる。これぞロック。
NA NA NA NA (with A)/ジョイマン高木 with A
作詞/高木晋也
作曲/鈴木秋則
編曲/
一世を風靡した有名芸人による突然の楽曲発表。何事かと思い聞いてみると、まさかの爽快でストレートな応援歌。ふざけてるのはリリース時のコメントだけだし、曲を聴いた後だと実はしっかり物事を考えているけど仕事としてふざけている職業お笑い芸人を感じる。
いきなり曲出してごめーん!まことにすいまめーん!なななな♪なななな♪なななな言っていたら、ふと、人類への応援歌が出来たのでリリースしました 脇の下!皆様どうぞ宜しくお願いします ニジマス!アルマゲドン 素うどん!
実はストレートで主語や対象が広い応援歌は、普段(仕事として人前に出る立場で)ふざけている人たちが歌うとギャップが大きくて刺さりやすいことがよくある。お笑い芸人が歌う応援曲っていいよね...はっぱ隊を思い出す...
23時の春雷少女/鬼頭明里
作詞/田淵智也
作曲/田淵智也
まずもうこの田淵智也作詞作曲とかいう歌詞のスマートさ、キャッチーなサビのメロディが素晴らしすぎる。田淵さんの作る曲はいつも口に出したい語感の良さが凄くて、トリッキーな歌詞でもスッと耳に入ってくる感覚は独特。2サビ終わりから間髪入れずにやってくるCメロと狂った間奏に圧倒される。要所要所に組み込まれる語尾のフォールが印象的だし、歌声にも合っていて、聴き心地がめちゃ良い。
証明は終わり、これが名曲だった。
2020年下半期編に続く...